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竹野 敦郎
2003年東京モーターショーのYAMAHAブースは、他の二輪メーカーとは一線を画するアーティスティックな表現で好評を博した。展示のテーマは「The Art of Engineering」。その一翼を担うEVのうち3モデル!をデザインしたのが竹野だ。ガソリンエンジン車の制約から放たれたEVをテーマに、環境に優しいだけではない、新しいモビリティーデザインの可能性を聞いた。 Photo
「走る」以外の価値を創造する、モビリティーの新しい世界へ。
竹野がデザインを担当したコンセプトモデルは「DIVIDE」「Pocke」「Passol L」の3モデル。このうちDIVIDEとPockeは初めて世に問われた作品である。いずれも従来の二輪車の概念を覆すクールなデザイン。それも夢物語で終わることのない技術的な裏づけを持った近い将来の乗り物として展示された。これらのデザインはどのようにして生まれてきたのだろうか?

「それは、まずEVという乗り物の特徴に由来しています」と竹野。「EVの特徴の一つはクリーンであるということです。環境に優しいという意義と同時に、例えば、部屋やクルマの中にまで持っていけるという新しい価値を創造することができます。それからパッケージングの自由度が高いということ。ガソリン車にはエンジンが必要ですから、それに伴ってレイアウトに制約が生まれます。でもEVだったら、極端に言うとモーターとバッテリーさえあれば走ります。しかもモーターは車輪内に収まるので、パッケージングとスタイリングの可能性はほぼ無限。EVというイノベーティブな新しい移動具をデザインするにあたって、EV自身が持つこんな特徴に、大いに触発されましたね」

つまりEVは「走る」という機能以外の価値を創造できる乗り物なのである。逆に言うと、(現在の)電動車ではガソリンエンジンほどのパワーは望めない。既存のバイクと同じベクトルでスピードや装備を競うよりも、新しい別の価値観を持った乗り物としてポジショニングすることが、新市場を開拓するという視点からも有意義であった。


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