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笠原 洋和
企画会議から最終調整まで関われる。
だからひとつのモデルにかける意気込みが違います。
エルム・デザインの特長は、デザイナーの守備範囲が広いところです。大手メーカーのデザイン部では、デザインは分業による効率的なプロジェクトとなっていることが多いのですが、当社の場合は多くても数人で最初から最後まで担当します。市販車のデザイナーで、コンセプト会議に参加していながらクレイも削っちゃう、なんてことは珍しいんじゃないでしょうか。その分大変な時もありますけど、ひとつのモデルの誕生に最初から最後まで関われるのですから、クリエイションを追究する人間にはたまらない環境ですよ(笑)。

デザインの分野が多彩であることも、当社ならではですね。プロダクトデザインの醍醐味は、何といっても自分のデザインしたものが大勢の人の手に触れるということ。学生時代の僕は、ハンドルに付いているスイッチとかパネルとか、とにかく市販されるものならどんな部品でもいいからデザインしたいと考えていたくらいです。一方ショーモデルには市販モデルほどの制約はありません。企画と2人のプロジェクトということもあるくらいですし、技術的にも夢の部分が多いですから、デザイン面から技術的な形状にアプローチすることもできます。自由度という点では、比較になりません。

でもデザイナーとしてどちらが面白いとか、そういう風には考えませんね。ショーモデルはコンセプチュアルで華やかな花火のようなもので楽しい反面、有る意味一過性ですし、量産モデルはメカニズムやコストといった制約の中で苦しみますが、制約は発想を変えればデザインの基点にもなりますし、パズルを解くような面白さがあるんです。

僕が二輪車の世界で初めてデザインしたのは、あるスクーターのマフラーカバーでした。それが世に出た時の喜びは、今でも忘れられません。それが、僕がデザインを続ける原動力になっていますね。

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