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デザインが決定した時点ですでに4月末。ここから約1ヶ月で完成までたどり着かなければならない。菅家はオリジナルのスケッチを立体に起こすプロダクトデザインのコントロール役として、山海教授や学生、そしてエルムの関連スタッフと昼夜の製作作業に入った。
「山海研究所でもゴールに向かって刻一刻と最適な仕様を求め設計が更新されていきました。スタイリングとは無関係に毎日のように変化していきますから、外装デザインのガイドとなる機能部品の図面が存在しません。しかも関節部分をはじめとする機能部品は先方のトップシークレットですから、持ち出しもできませんでした」と菅家は振り返る。そのため、こちらから研究所に赴き、1つひとつの機能部品の寸法を測り、その数字をもとに独自に3次元の骨格図を作成。これにあわせて、外装部品の設計図面をまとめ上げるというプロセスが必要となった。
5月に入ると外装部品の図面から型を作り製品を作るという作業がスタートした。そして機能部品に外装部品を取り付ける仮組みへ。ここで全体の取り付け位置やサイズを最終確認して、最後の調整に入った。
「最後のフィッティングは泊り込みで、5人がかりでやりました。筑波大の教室を借り切り、作業機械や工具を持ち込み、ドリルで穴を開けたり削ったりを4日間。研究室の学生たちにも協力してもらいましたが、彼らも30時間寝てないとか、70時間フトンに入ってないとか、すごい状況でしたね。まさに学生時代を思い出しました。(菅家)」
今回のプロジェクトはエルム・デザインの中でもまれな例と言える。主力の二輪に関わるデザインではプロジェクト自体が大きいために、組織的なオーガナイズのもとステップバイステップで計画が進行するが、HAL-5のケースではデザイナー個人の熱意と想いが強く反映されるものになった。それは産学協同のプロジェクトだったからかもしれない。菅家によると最も印象に残っているのは「学生や教授と肌を触れ合わせ、意見を交わして仕事をしたこと」であり、会話からインスピレーションを得てデザインに投影する経験も一味違ったものであっただろう。
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グッドデザイン賞の金賞について、審査委員からは「“人機融合”という新しい領域の提案発信」「医療活用を超えたエンターテインメントロボットの新しい可能性」など将来への期待を込めたコメントが寄せられた。
今後エルム・デザインではHAL-5に続く新しい領域のデザイン活動にも積極的に取り組んでいく。この分野にチャレンジしてみたいという人にとって面白い仕事場となるに違いない。
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