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調査の結果、重要なことがわかってきた。それは「ASEANといえば…」という十把一絡げの価値観では、顧客の心をつかむことはできないということだ。ユーザーの“世界観”を表現するカラーリングやグラフィックデザインは、日本やヨーロッパとも共通するワールドトレンドから大きく外れてはいないということもわかってきた。
「僕らが格好いいと思っているを、彼らも格好いいと思っている。つまり東京と同じ感覚でやってもあまりギャップはないんです。そこから彼らが持っている世界観をしっかり捉え、1歩進めた提案をすればいい」と星野。続けて「カラーリングやグラフィックデザインは、商品の最後のお化粧のところです。お化粧次第で現地の男の子や女の子が喜んで乗ってくれる商品になるし、お母さんが安心して子供に買い与えられたり、年配の方が安心して乗れる乗り物になる。そこの世界観をカラーリングやグラフィックデザインで表現してあげればいい」と説明する。
この成果をもとに、商品企画・営業・デザイナーの三者が共同で、MIOの次のコンセプトを構築する作業が始まった。商品のポジショニングをし、表現する世界観を決め、浸透させるための手法を検討する。その成果の一例がタイのMIO。初年度モデルに比べ男の子向けと女の子向け、それぞれ明確に世界観を分け展開した。こういうことができるのも、マーケットインでコンセプトづくりから関われるカラーリング&グラフィックデザイナーの醍醐味である。
「私が関わった最初の年は現地の感性を調査して、ワールドトレンドに沿ってデザインを作りこみました。でもこれからは、現地のトレンドを引っ張っていく存在にならなくては」と星野。ASEAN初のスクーターに対する現地の期待は大きく、次はどんなモノを見せてくれるのかと市場の視線も熱い。それに応えるためには、「現地の感性を感じ取るだけでなく、今、現地の子たちは何を見ているのかを把握して、そこから次のイメージを引っ張り出してくる必要がある(星野)」のである。
カラーリング&グラフィックデザイナーは、商品ができあがるプロセスの最終工程を担当している。しかし市場との密度の濃いコミュニケーションを繰り返す中から潜在的なニーズを多く仕入れている点からは、次の商品を作り出す最初の重要なポイントに深く関わっている仕事とも言えるのである。
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